発送代行の見積書の読み方|「1件100〜300円」の幅は何で決まるのか

物流コスト

発送代行の見積書は、単価だけを並べても比較になりません。同じ「1件200円」でも、 梱包資材が含まれるか、検品をどこまでやるか、同梱物を何枚入れるかで中身がまったく違うからです。 比較するなら、単価ではなく「自社の1出荷が、その倉庫でどの作業に分解されるか」を見てください。

比較メディアでよく見る相場は、おおむね次の水準です。

項目一般的な相場
初期費用0〜5万円
月額固定費・システム利用料0〜3万円
入荷・検品1個あたり10〜30円
保管料1坪あたり月3,000〜8,000円
ピッキング・梱包1件あたり100〜300円
配送料1件あたり数百円〜

出典:発送代行おすすめ25選(STOCKCREW)、 EC物流代行おすすめ比較(MCB FinTechカタログ)。

問題は、ピッキング・梱包の100円と300円で3倍の開きがあることです。 この幅は業者の良し悪しではなく、ほとんどが荷物側の条件で決まります。

幅を作っている6つの要因

1. 1出荷あたりのピック行数

最も効くのがこれです。1注文で1種類だけ取る(1行)のと、5種類を棚から集める(5行)のとでは、 作業時間が数倍変わります。単価表に「1件◯円」としか書かれていない場合、 何行までが基本料金に含まれるのかを必ず確認してください。 一般には「基本1行+2行目以降は1行ごとに加算」という形が多く、加算分は1行10〜50円程度が目安です。

2. 同梱物の種類と枚数

チラシ1枚と、チラシ3種類+サンプル1点+手書き風カードでは、別の作業です。 同梱物は種類が増えるほど単価が上がります。枚数より種類数が効きます。 取り違えを防ぐために、種類ごとに取り置き・確認の工程が増えるためです。

3. 梱包形態

ネコポスやゆうパケットなど厚み制限のある薄型梱包は、箱詰めより手間がかかることがあります。 規定の厚みに収めるために、詰め方を調整する判断が入るからです。 一方、定型の箱に緩衝材を入れて閉じるだけなら作業は安定します。 「薄型=安い」とは限りません。

4. 1日あたりの件数と、その波

単価は「ならした件数」ではなく「波の形」で決まります。 毎日200件が安定して出るのと、月の初めに3,000件出て残りはゼロに近いのとでは、 必要な人員の組み方が変わります。後者は人を確保しておく必要があるぶん、単価に乗ります。 見積依頼のときは、月間件数だけでなく日別の実績を渡してください。単価が下がることがあります。

5. 商材の性質

重量・形状・割れやすさのほか、次が該当すると工程が増えます。

  • 賞味期限やロット番号の管理が必要(先入先出の指定、期限切れの引き当て制御)
  • 温度帯の指定がある(冷蔵・冷凍)
  • 医薬部外品・化粧品など、表示や保管に法令上の要件がある
  • シリアル番号や個体管理が必要

6. 検品をどこまでやるか

「検品」の意味は会社によって違います。外装を見て数を数えるだけなのか、 開封して動作や付属品まで確認するのかで、かかる時間は桁が変わります。 見積書に「検品」とだけ書かれていたら、どちらの意味かを聞いてください。

見積書で必ず確認する5点

保管料の数え方

坪建て・ラック建て・個建てのどれか。さらにいつの在庫で数えるかが重要です。 月初時点・日割平均・月内の最大積数で、同じ在庫でも請求額が変わります。 入荷が月初に偏る商材で「月内最大」の契約だと、想定より高くなります。

最低料金の有無

最低保管料、最低請求額、最低出荷件数。立ち上げ期はここが実質的なコストになります。 月50件しか出ない時期に最低請求額が5万円なら、1件あたり1,000円です。

配送料が込みか実費か

「1件◯円」に配送料が含まれるのか、作業料だけなのか。 含まれる場合はサイズ区分と地域区分がどう設定されているかまで見てください。

梱包資材の扱い

段ボール・緩衝材・テープが作業料に含まれるか、実費請求か。 自社指定の資材を使う場合は、保管スペースの扱いも確認が必要です。

返品・再出荷の単価

見積書に返品の行がない見積書は要注意です。返品は必ず発生します。 戻ってきた商品を検品し、再販可能かを判断し、棚に戻すか廃棄するかを決める工程は、 出荷と同等かそれ以上の手間がかかります。

よくある質問

複数社の見積もりを比較するとき、何を揃えればいいですか

直近3か月の日別出荷件数、1出荷あたりの平均行数、 SKU数と在庫数量、同梱物の種類、商材のサイズと重量。 この5つを同じ資料で渡せば、各社の前提が揃って比較できます。 渡さない場合、各社が自社に都合のよい前提で計算するため、単価は比べられません。

小ロットでも受けてもらえますか

受ける会社と受けない会社があります。受ける場合でも最低請求額が設定されることが多く、 件数が少ないうちは1件あたりの実質コストが高くなります。 外注の損益分岐は件数だけでなく、自社で梱包している人の時給と、その人が他に何ができるかで決まります。

繁忙期だけ件数が跳ねますが、対応できますか

事前に分かっていれば対応できる範囲は広がります。何月に何倍になるかを契約前に伝えてください。 直前の連絡だと、人員の確保が間に合わず出荷が遅れることがあります。

見積もりが他社より明らかに安い場合、何を疑えばいいですか

含まれていない作業があるか、前提の件数が実態と違うかのどちらかであることが多いです。 「この単価には何が含まれないか」を一覧で出してもらうと分かります。

まとめ

発送代行の見積書は、単価の比較ではなく、作業の分解の比較です。 自社の1出荷がどの工程に分かれるかを先に整理しておけば、 各社の見積書を同じ土俵に乗せられます。

FID INNOVATIONでは、実際の出荷データをお預かりして、 どの工程にいくらかかるのかを分解したうえでお見積りをお出ししています。 お問い合わせはこちらからご相談ください。

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