「物流費は売上の◯%」という見方では、改善する場所が分かりません。 分解すべきは、件数に比例する費用・在庫量に比例する費用・固定費の3つです。 この3つは下げ方がまったく違うので、混ぜて見ているかぎり手が打てません。
3つに分ける
| 区分 | 含まれるもの | 何に比例するか |
|---|---|---|
| 出荷変動費 | ピッキング、梱包、資材、配送料 | 出荷件数 |
| 在庫変動費 | 保管料、入庫検品 | 在庫量・入荷量 |
| 固定費 | 初期費用、月額基本料、システム利用料、最低請求額 | 件数に関係なく発生 |
よくある誤解は、保管料を出荷1件あたりに割り付けてしまうことです。 保管料は在庫をどれだけ持っているかで決まるので、出荷が増えても増えません。 むしろ在庫回転が上がれば、出荷が増えるほど1件あたりの保管料は下がります。
CPOに何を入れるか
CPO(1注文あたりコスト)を出すとき、何を分子に入れるかで数字が変わります。 社内で比較するなら、次の2段階で持つのが扱いやすいです。
物流CPO(狭義)
出荷変動費のみ。作業料+資材+配送料を出荷件数で割ったものです。 委託先を比較するときは、この数字を揃えて比べます。
物流CPO(広義)
狭義に、在庫変動費と固定費を月単位で足して割ったもの。 実際にいくらかかっているかを見るときはこちら。 件数が少ない時期ほど固定費の影響が大きく出るので、立ち上げ期の判断にはこの数字が要ります。
比較メディアでは、規模別のCPO目安として 小規模(月1,000件以下)で1,000〜1,300円、中規模(1,000〜5,000件)で600〜900円、 大規模(5,000件以上)で400〜700円という水準が示されています。 出典:発送代行おすすめ25選(STOCKCREW)
ただしこの数字は配送料を含むか、商材のサイズが何かで大きく動きます。 自社の数字と比べるときは、まず分子の中身を揃えてください。
入れ忘れやすいもの
返品にかかる費用
返品検品、再梱包、廃棄。見積書に行が無いことが多く、 実際の請求で初めて気づく項目です。返品率が数%ある商材では無視できません。
自社側の人件費
外注しても、受注データの確認、在庫の発注、倉庫とのやり取りは残ります。 「外注したから物流費は委託料だけ」ではありません。 自社で何時間使っているかを一度測っておくと、外注の損益分岐が正確になります。
欠品による機会損失
費用科目には出ませんが、在庫を絞りすぎた結果の欠品は売上を削ります。 保管料を下げる施策が、ここを悪化させていないかは見ておく必要があります。
分解してから打つ手
- 出荷変動費が高い:1出荷あたりの行数、同梱物の種類数、梱包形態を見直す
- 在庫変動費が高い:在庫回転、保管料の課金方式(月初・日割・月内最大)を確認する
- 固定費の比率が高い:件数が足りていない。外注の時期そのものを見直す
よくある質問
物流費は売上の何%が適正ですか
商材によって違いすぎるため、業種横断の目安はあまり役に立ちません。 自社の過去と比べるほうが使えます。同じ分解方法で毎月出していれば、 どこが動いたかが分かります。
配送料を下げる方法はありますか
件数をまとめて交渉する、サイズ区分を下げる梱包に変える、配送会社を分散する、出荷元を変える。 このうちサイズ区分の見直しが最も即効性があります。 梱包を1区分下げられるかは、実物を見れば判断できます。
保管料を下げるには
在庫を減らすのが基本ですが、欠品とのバランスがあります。 その前に課金方式を確認してください。月内最大積数で課金されている場合、 入荷のタイミングを分けるだけで請求額が下がることがあります。
まとめ
物流コストは、出荷変動費・在庫変動費・固定費の3つに分けてから見る。 分けないかぎり、どこを直せばいいかは分かりません。 委託先を比較するときは、分子の中身を揃えてから比べてください。
FID INNOVATIONでは、実際の出荷データをお預かりして工程ごとに分解したうえで お見積りをお出ししています。お問い合わせはこちらからご相談ください。
BY FID INNOVATION Inc.