倉庫見学で見るべきなのは、整然とした保管棚ではありません。 そこは見せる前提で整えられています。実力が出るのは、 入荷したばかりの荷物が置かれる場所と、返品が置かれる場所です。 案内のコースから外れがちな7か所を挙げます。
1. 入荷待ちの荷物が置かれている場所
荷受けしたパレットが、検品されるまで仮置きされる区画です。 ここが荷物であふれていたら、入庫処理が追いついていません。 入庫が滞っている倉庫は、在庫数が実態と合わなくなります。
見るポイントは量より日付です。「いつ着いた荷物ですか」と聞いて、 数日前のものが残っているなら、処理能力が需要に追いついていません。
2. 返品置き場
返品は必ず発生しますが、優先度が低いため後回しにされがちです。 返品の山ができている倉庫は、再販可能な在庫が売れる状態に戻っていないことを意味します。 機会損失が倉庫の中で発生しています。
「返品はどれくらいで処理されますか」と聞いてください。日数が即答できるかどうかが分かれ目です。
3. 作業台の上
梱包作業の台に、複数の注文が同時に並んでいないか。 並んでいれば、宛先違いが起きる余地があります。 1作業台1注文が原則で、これが守られているかは一目で分かります。
4. 似ている商品がどう置かれているか
色違い・サイズ違い・リニューアル前後のパッケージが、棚で隣接していないか。 隣接していれば取り違えが起きます。意図的に離してあるか、 バーコード照合で止める設計になっているかを確認してください。
5. 通路
台車がすれ違える幅があるか。荷物が通路にはみ出していないか。 通路が狭い倉庫は、繁忙期に人を増やしても作業効率が上がりません。 人を増やせない倉庫は、繁忙期に出荷が遅れます。
6. 現場の人の動き方
探している人がいないか。指示書を見返して立ち止まっている人がいないか。 作業者が「探す」「迷う」をしている倉庫は、指示の設計に問題があります。 現場が判断している作業は、間違いが起きます。
7. 繁忙期の写真
見学は通常時に行われます。知りたいのは繁忙期の姿なので、 繁忙期の写真を見せてもらってください。 通路が荷物で埋まっている、作業台が足りていない、といった状態が見えます。 写真が無い、見せられないという返答なら、その理由を聞いてください。
見学のときに聞くこと
- 入庫から出荷可能になるまで何日かかるか
- 当日出荷の締め時間は何時か
- 誤出荷率はどれくらいか。何を分母に数えているか
- 繁忙期は通常の何倍まで対応したことがあるか
- 返品の処理日数はどれくらいか
いずれも即答できるかどうかが重要です。数字を持っていない倉庫は、 改善の起点に立てていません。
よくある質問
見学を断られることはありますか
他の荷主の商品があるため、撮影の制限や立入区画の制限が付くことはあります。 ただし見学そのものを断られる場合は、理由を確認してください。
見学は契約前にできますか
通常はできます。むしろ契約前に見ておかないと、見る意味が薄れます。
遠方の倉庫だと見学が難しいのですが
写真や動画、作業の様子を記録したものを送ってもらう方法があります。 その際も、上で挙げた入荷待ち・返品置き場・作業台を指定して依頼してください。 指定しなければ、きれいな場所の写真が来ます。
まとめ
倉庫の実力は、整った保管棚ではなく処理が滞る場所に出ます。 入荷待ち、返品置き場、作業台の3つを見れば、だいたい分かります。 そして数字を即答できるかどうかを確かめてください。
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